前回、ジェフェリー先生との出会いについてお話しましたが、この話には続きがあります。
常識が揺らぐような話に感化された私は、先生の診療所での診察の様子を見学させてもらうことにし、実際に訪ねてきました。
彼が住んでいるのは、サンフランシスコから車で2時間ほど走ったところにあるセバストポルという小さな町でした。アメリカでありながら緑の党が議席の過半数を占めるというその地方は、先生の言葉を借りるなら「ボヘミアンな土地柄」であり、かつてヒッピー生活を送っていた先生は最終的にこの地に居を構えることになったそうです。
先生のオフィスはクリニックが集まる商店街のような区画の一角にありました。探すのに苦労しましたが、それもそのはず。まだ看板が出ていないのです。(写真右の表札は僕と先生がその日、一緒にかけたものです)
ついこの間まで、セバストポルの公立病院の中にあったジェフェリー先生のオフィスは、ある日突然、閉鎖になってしまったとのこと。「最初は病院側からオファーがあったんだ。カンナビノイド外来をやってほしいと。しかしCEOが代わった際に、お金にならない部門ということで閉鎖だよ。ある日突然ね。個人的に腰の手術の直後だったから流石にこたえるよ」と先生は苦笑します。
この裏側には、カリフォルニアにおける医療大麻の立ち位置があります。カリフォルニアでは医療大麻の使用は許可されていますが、医師は大麻を「処方」することは連邦法で禁じられています。彼らに出来るのは、患者を認定し、入店許可書を発行することだけなのです。つまり病院で発生する代金は診察代と書類作成料だけ、ということになります。しかも文書の更新は年に1回で、医師であれば誰でも作成することができます。つまり、いまのところ医療大麻は代替医療であり、病院での治療とは切り離されています。
しかし、オフィスは代わったばかりでもその奥に置かれたキャビネットには、これまでの 20年にわたる診療の記録がずっしりと詰まっていました。その数、およそ3000人分。そしてその日も、先生の診察を受けに実際に患者さんがやってきます。そんな中、最も印象的だったのは、ある女性が言った一言です。
「今日は来てないけれど、うちの夫は悪性黒色腫の脳転移と言われてから医療大麻治療を始めてから腫瘍が消えて、もう5年経つけれどピンピンしているよ」
悪性黒色腫というのは、皮膚がんの一種でほくろが癌化したものです。転移している場合の予後は悪く、脳転移がある場合の5年生存率は15%程度と言われています。一度脳に転移した腫瘍が完全に消えるというのは、奇跡とは言いませんが珍しいことです。そしてもちろん、彼女が私に嘘をつく理由はありません。
皮膚がんに対してカンナビスが有効なことを広く世に知らしめたのは、一人のカナダ人でした。
大麻の THC がマウスの癌細胞を消失させたことをラジオで聞いたその男は、自分の目の周りにできた基底細胞癌に、好奇心から、自家製の濃縮したカンナビスオイルを垂らし、絆創膏で4日間押さえたままにしておきました。
絆創膏をはがしたときの彼の驚きは、いかほどだったでしょう。なんと、腫瘍が剥がれ落ち、その下には正常のピンク色の肌が再生していたのです。
自らの体験から効果を確信した彼は、自分の周囲の人に自家製のオイルを提供し、また作り方を公開します。医師の不理解や警察による逮捕にも屈せず、彼は草の根の活動を続け、彼によって命を救われた人の数は5000人を超えたと言われています。彼が考案した濃縮カンナビスオイルは彼の名にちなみ、「リック・シンプソン・オイル」と呼ばれています(*)。
ご存知の通り、大麻は脳などの神経細胞に強く作用します。そして表皮は実は、神経細胞と同じ外胚葉と呼ばれる細胞から分化します。表皮には脳と同じく、カンナビノイドの受容体が豊富に発現しているのです。前回取り上げた脳腫瘍と同じ起源を持つ、皮膚がんに大麻が著効するのは理にかなっています。
リック・シンプソンをはじめとした体験談が数多く報告されるにもかかわらず、皮膚がんに対するカンナビスの効果の科学的検証は、法的な規制の影響でこれまでほとんど行われていません。しかし動物を用いた基礎実験においては、有望なデータが確認されています。2014年に報告されたある実験では、皮膚がんに対する THC の有効性が示唆されています。
今後、この領域においても欧米での法規制緩和に伴い、研究が急速に進むと思われます。またがん以外にも、皮膚科の領域ではアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、透析患者の痒みなど、幅広い疾患に対してカンナビノイドの効果が期待されています。
http://www.jaad.org/article/S0190-9622(17)30308-0/abstract
帰り際、バス停まで車で送ってくれたジェフェリー先生は言いました。
「日本の現状は厳しいというのはきいている、けれど日本にもカンナビノイドドクターが必要だろう、少なくとも一人ぐらいは。」
その言葉は、私の心の深いところに刻まれることになりました。
* リック・シンプソン・オイル:近年はディスペンサリーでこの濃縮カンナビスオイルが手に入るようになり、また製造法もより洗練されて、フル・エクストラクト・オイル(全草抽出カンナビスオイル)と呼ばれることが多くなりました。一般に、皮膚がんに限らずがんの治療にはこの高濃度カンナビスオイルが使われます。
はじめまして。多くの大麻は自分の快楽だけで、、逮捕のニュースで、コメントは、こわかった。でも、いま私は気管支喘息で、長年苦しみ、外来を受診することも、ままならず、何時間もまち、点滴するも、ステロイド、また、製薬会社の競争の高い吸入薬。今回入院しました。肺炎併発、我が息子は、潰瘍性大腸炎
プレドニン何錠ものみ、新薬の開発今ば違う錠剤死ぬまで飲む!らしいです。また、小さい粒錠剤また、新薬。副作用は男性の精巣に悪さをすると書いてあり、まだ、結婚もせず、本人も生涯独身でいる。これは、ドクターが「ご結婚される予定など」多分コントロールしてくるような感じ。帰宅していつでも金槌で🔨叩きます!^_^あと、娘、大学生、突然アトピー皮膚炎🔥医師から、ステロイド軟膏、何本も。腕は痒みでシーツに皮が剥がれ。綺麗な肌がかえって黒くなって弱い子なら、、二人共、真っ直ぐ正しい心でいます。あと、姉弟が、髄膜腫前頭おでこ、鼻まで広がりデコには、チタンが入っています。性格が粗くなり気が短くなり悲しいです。、、再検査また、行きます。わたくしは、唾石症発覚て、小脳に、1.1センチ髄膜腫あります。三年後、昨日検査して結果はまだ今は、喘息、肺炎治療しています。外国で治療を受けたいです。長文お読み頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。いきなりすみません。わたしは元々重度喘息で月に一度一週間くらい熱を伴うひどい喘息の発作になっていました。
カナダに行き大麻の使用を始めてからもう四年も発作がでていません。
また幼い時ひどいアトピーで背中、お尻、腕や足の関節、両手の平や指の皮膚がほとんどなくなるくらい掻きむしっていました。
肌質にもよるでしょうが、ステロイドは絶対使用されない方がいいです。
一時的にはよくなりますが、使用をやめると副作用で他の部位にも症状がでたり皮膚が薄くなるので悪循環です。
あまりに症状がひどかった為に母が治療法を色々探してくれ自然療法を行う医師に出会ったことにより何年かかけてよくなりました。
その時した治療法はまず出来る限り肌を水につけないことです。
2日に一度洗面台で頭を洗うだけで週に一度くらいシャワーを浴びるだけでした。
一見不潔そうですが、自分でもわかるくらいみるみる治りました。
あとは寝るときに手袋をすること。
寝てる間にどうしても掻いてしまうためです。
通気性のよい寝巻き、私服にする。シルクなどがおススメです。
食生活も油物はとらないようにして糖分も控えた方がよいです。小麦より米中心の生活にしてください。
あとは薬などですが、寝る前にかゆみ止めのシロップと冬はすこし変わった匂いのする軟膏に夏はパウダーをつけていました。
全ての箇所治すには時間がかかりましたが、治って以来皮膚が丈夫になった自信があります。
いまは人より肌が強いくらいです。
当時小学生でしたが、肌が荒れてることにすごくコンプレックスがあったので娘さんもよくなるといいですね!
長々と失礼しました。
皮膚癌ではありませんが、癌で父を亡くしている身としてはとても気になる記事でした。
亡くなってもうすぐ7年になりますが、未だに「カンナビスを試していたらもしかしたら生きていたかも」と考えてしまいます。
例え効果が無かったとしてもトライ出来ていたらこんなに引きずる事もなかった。
「良い結果が出る」事も大変素晴らしいですが、
「トライ出来たか、そうでなかったか」納得できるプロセスを踏む事も同じぐらい大切な事なのでは、と思うのです。
特に癌治療においては。
だって命がかかっているのですから。
今後、全ての癌患者が「望めば」トライできる環境になって欲しいと、切に願います。