きっかけは、一件のツイートだった。
警視庁が発行する、反大麻のキャンペーン広告。
そこで京都府立洛南病院の副院長先生が、
■ 平成26年以降、洛南病院では大麻依存症で入院する患者が約20倍に増えた。
■ 入院している薬物依存症患者の15〜16%くらいが大麻依存症である。
全体としては、エビデンスと矛盾する時代遅れのプロパガンダだ。けれど、彼は依存症の治療に長く携わり、実際に患者さんを診てきている。そういう点から、彼の言い分にも一理あるのだろう。
少なくとも、そこには大麻の依存症で苦しむ患者がいるという。気になった私(正高)は、
熊本から新幹線で4時間。京都駅から奈良線で 20分。駅前から気持ちのいい散歩道を 15分ほど登ったところに、
精神科のみで、256床。うち 72床が急性期の患者さんのための病棟とのこと。公立病院という立場から、京都南部の精神科救急の最終砦として、
件の川畑副院長にお会いしたい旨を伝えておいたのだが、
すると院長先生(以下I)は少し申し訳なさそうに言った。
I 「ここは依存症の専門施設じゃないしね、
…あれ?
M 「ちなみに今現在、
I 「ちょっと待ってね… 今時点はアルコール、覚醒剤はいますが…
…あれれ?
M 「…
I 「年間でね…13ですね」
M 「一年で 13人…ですか?」
I 「うん、多いのは覚醒剤で 50近くありますね。
M 「ちなみに先生、それはどういった症状で入院して、
I 「急性の妄想ですね、被害妄想。
M 「じゃあ、大麻で入院してもすぐに退院していくんですね?」
I 「そうですね」
20倍に増えたはずの大麻依存症入院は、実際には年間 13件。それは処方薬での入院のちょうど半分の件数。入院した患者さんも、ほとんどは短期の被害妄想が主訴であり、
これにてミッション・コンプリートである。
Twitterで或るアカウントが指摘していたことだが、
酒を例に考えてみよう。
毎日、缶ビールを一缶飲むのが楽しみ。これは単なる常用である。
ウイスキーを一日一瓶空け続け、
一方で急性中毒の典型例はこういうものだ。
飲み会の翌朝、酷い頭痛で目が覚めると記憶がない。友達によると、路上で叫んで、吐いて、それは大変だったらしい…
* * * * *
酒に関しては、常用と依存症は区別されている。しかし違法薬物に関しては、
国際的には、
A:意図したより大量、または長期間に使用してしまう
B:使用をやめようとするけれど上手くいかない
C:大麻を入手、使用するため、
D:大麻への強い渇望がある
E:大麻の使用が原因で仕事や生活に支障が出る
F:社会的、
G:大麻のため、他の活動が疎かになる
H:物理的に危険な状況でも大麻を継続的に使用する
I:大麻によって健康被害が出ているとわかっても使用を続ける
J:極端な耐性がついてくる
K:離脱症状が出現する
要は、薬物のせいで暮らしに支障が出ているにも関わらず、
大麻の常用が依存症に繋がるケースは存在する。しかし、その割合はアルコールと比較すると明らかに少ない。2018年時点での最新の研究では、アルコールを常用する 12,
* * * * *
洛南病院に入院してくる一過性の被害妄想は、依存症ではなく急性中毒(Intoxication)に分類される。
大麻がときに被害妄想を引き起こすことはユーザーの間では広く知
大麻の致死量は15分間に 680 kg 喫煙した場合とされている。
https://www.oregon.gov/
実際に山積みにすると、これ ↓ くらいの量になるらしい。
東京税関で1年間に押収された大麻の総量が126 kgなので、
http://www.customs.go.jp/
* * * * *
『お酒を飲むと、
『どれくらいの頻度でバッドトリップしますか?』
洛南病院に緊急搬送されてきた患者を、
アメリカの研究データでは、
これは合法化が進み、薬物への理解が深まるにつれて、
ルールを書き換えるのにも時間はかかるが、
私は持参した大麻による小児てんかん治療の資料を、
今のところ、私のメールアドレスに返事はまだない。
文責: 正高 佑志(医師) Special Thanks: @convictNo798
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[…] 2018年11月16日by […]
情報化時代で多くの情報が我々のすぐ近くを飛び交っていますが「意思の無い情報は世の中に存在しない」と言われています。
情報に触れる時は、可能な限り意思や意図をフィルターで取り除きピュアな情報を取り入れたいと思います。
それにしても、民意をコントロールするなら正しい方向にしてもらいたいモノです‼️
[…] […]