みなさんは、ホップから CBD が採れる、という話を耳にしたことがあるでしょうか? 今年2月、そういう製品の説明会にお招きいただく機会があり、お邪魔してきました。
説明によれば、大麻草やヘンプの親戚であるホップの品種の中に、CBD を産生するものが見つかったのだそうです。発見したのはボミ・ジョセフという科学者で、発見された場所はインド。ボミ・ジョセフ氏は、発見した品種を Humulus Kriya、この品種から採れる抽出物を ImmunAG と名付けたそうです。しかも、「バイオアクティビティ」という耳慣れない指標で比較すると、ImmunAG はヘンプ由来の CBD よりも効能が高いというのです。
大麻取締法とは無関係のホップから、ヘンプ由来のものより優れた CBD が抽出できるとなればこれは大ニュースです。ところが、私の知るアメリカの医療大麻関係者の口からは、このことが一切話題に出たことがありません。不思議に思い、説明会から帰宅後、この製品についてのもっと詳しい情報を探してみました。
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アメリカでこの CBD を含む製品を販売しているネットワークビジネス大手、Kannaway がこの製品について説明しているビデオがあります。ボミ・ジョセフ氏自身が発見の経緯を解説しています。
ここでちょっと不思議な事実がいくつか判明しました。
08:45 – ボミ・ジョセフ氏は Humulus Kriya という品種を発見したインドへの旅の話をし、この写真に写っている男性は自分の友人だと言っています。
でも実はこの写真はストックフォトとして販売されています。提供者は Design Pics Inc、提供年月日は 2010年11月4日となっています。
Image ID: BXTM3Y
(クリックで販売のページに飛びます)
09:10 – 同じくインドに行った時の写真です。ここが実際のオンサイト・ラボであると言っています。
これもストックフォトにある写真です。提供者は Annie Owen というフォトグラファーです。
素材番号:805-677
10:45 – ボミ・ジョセフ氏はこの橋を実際に渡ったと言っています。
ですがこれもやはりストックフォトにある写真です。提供者は Mazur Travel です。
Shutterstock
素材番号: 789348316
11:10 – Bomi Joseph はこの右側の写真を Humulus Kriya の葉だと言っています。
ですがこれは実は、Wikipedia にある写真で、Humulus Kriya の写真ではなく、Humulus Japonicus という植物です。
11:25 – Humulus Kriya(左) と通常のビールホップ(右)を比べていると説明している写真です。
これは本当は、Humulus Japonicus の写真で、
http://crcwma.org/index.php/2015/09/07/japanese-hop-humulus-japonicus/
というウェブサイトにあるものです。
11:20 – Humulus Kriya の Pod であると説明している写真です。
これもストックフォトにあるもので、Humulus Kriya ではなく Humulus Japonicus です。
Image ID: AB8AXE
25:15 – ボミ・ジョセフ氏は、ImmunAG はヘンプCBDよりも「Bioactivity」が高く、そのことは第三者機関が認定している、と説明しています。
ところがこの認証マークは、ボミ・ジョセフ氏自身が商標登録申請をしていることが、このサイトを見るとわかります。https://trademark.trademarkia.com/bioactive-cbd-certified-87289961.html
つまりこの認定証には何の意味もなく、Bioactive CBD Certification は架空のものなのです。
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ボミ・ジョセフ氏はまた、自身のウェブサイトにも、ストックフォトを使用しています。現在は内容をリニューアルし、http://immunag.org となっているウェブサイトですが、2018年夏までは http://immun.ag というサイトがありました。(現在は immun.ag と入力すると immunag.org に転送されます。)
このサイトにはこういう写真が掲載されていましたが、
これもストックフォトにあります。
Shutterstock
素材番号: 250505101
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このように、発見の過程、発見された植物、製品の製造過程、その効力の認証まで、すべて市販されているストックフォトを使用して説明をしているのはいったい何故なのでしょうか。氏の主張が本当なら、なぜこんなことをするのでしょうか。
なお、アメリカで ImmunAG 製品を販売していた2つの販路、Kannaway と HempMeds のウエブサイトからはともに製品が削除されているようです。
https://kannaway.com/your-complete-guide-to-premium-humulus-oil-non-cannabis-cbd/
https://hempmedspx.com/real-scientific-humulus-oil/
https://hempmedspx.com/product/real-scientific-humulus-oil-rsho-k-cbd-liquid-4oz/
不思議なことだらけなので、日本でこの製品を販売している会社の方にこの内容をお見せして見解を求めましたが、お答えいただけませんでした。
ホップから抽出される CBD というのは本当に存在するのでしょうか。
さて、みなさんはどう思いますか?
※ タイトルの写真は Growstox の記事からお借りしました。
文責:三木直子
[…] そんなCBDオイルを求める人にとって大切な情報はこちら!(๑•̀ㅂ•́)و✧ 記事元:GREEN ZONE JAPAN http://www.greenzonejapan.com/2019/06/15/hopcbd/ […]
とれます
説明会にいってきました
Evidence あるはず
Evidence 拝見したいです。是非お願いします。 🙂
https://www.businesswire.com/news/home/20190924006030/ja/
こんなニュースもあるようです。どうなんでしょう。
こちらの記事をお読みください。
http://www.greenzonejapan.com/2020/02/29/hopcbd-2/
Business Wire の記事は、ホップCBDを販売している Cloud Nine による「スポンサー記事」であることにお気づきですか?
ホップ経由、大麻経由のカンナビを服用してみて個人としての感想です。私にとって効果がはっきり違いまました。大麻経由のほうが、効果を感じられましたね(どちらも一ヶ月服用)ホップ経由の説明会にも暇だったのでいきました。ホップ経由と大麻経由の大きな違い(同じ仲間でも違いは、あると思います。)、会員さんの感想など聞きたい内容がなかったので、残念でした。クスリを服用されている方に対しても注意が必要だったのかもしれません。