9月29日、厚生労働省監視指導麻薬対策課は、新たに組織した大麻規制検討小委員会のとりまとめ素案を公開しました。
本素案は、厚労省が作成する大麻取締法改正草案の原型となるものであり、こちらを分析することで、厚労省がどのような法改正を考えているかを予想することが可能となります。議論の要点は以下の4点になります。
1:医療用途の規制緩和
2:大麻乱用防止の強化
3:カンナビノイドのルール作成
4:栽培の規制緩和
1:医療用途の規制緩和について
大麻成分を含有する処方箋医薬品を、医療用麻薬の管理体制で管轄する方針が検討されています。Epidiolexは治験終了後、その他の麻薬と同様の管理体制で施用可能となると思われます。処方箋医薬品以外の医療大麻についての言及はありません。
2:大麻乱用防止の強化
当初の予定通り、使用罪を導入する方向で意見がまとめられています。
3:カンナビノイドのルール作成
従来の茎・種ルールを撤廃し、THCを麻薬として規制・管理していく方針が示されています。残留THCの基準値と検査方法も明示されるようです。ゼロ基準値は使用罪の運用に差し障りのないよう厳格に規制される見込みです。HHC、THCPなどの精神作用を有するカンナビノイド・THCの前駆物質などについては、指定薬物として規制していく方針が示されています。
また使用罪との並列運用のために、尿中のカンナビノイドの高感度な定量試験の導入が検討されています。CBDのアイソレートをTHCへと変換する行為は麻薬の密造として処罰していく方針のようです。
4:栽培について
CBDなどのカンナビノイド採取・医薬品開発のための栽培も認可する方向が明示されました。種苗法に基づいて登録された低THC品種の栽培は認められるようです。栽培のためのTHC含有量基準が定められる見込みです。栽培免許の管轄を厚労省(実際の運営はマトリ)に一本化する方針を匂わせる記載が認められます。
大麻研究者免許は麻薬研究者免許と一本化されます。栽培研究の許可は厚生労働大臣が管轄するようです。現在栽培免許を持っている人の更新頻度を延長(毎年から3年に一度へ)するようです。
今後のタイムスケジュールとしては、来年の3〜6月の間に国会で審議、可決後は速やかに施行となるのではないかと思われます。
執筆:正高佑志(医師・Green Zone Japan代表理事)
アメリカやタイなどお付き合いのある国と対応の差がありすぎです。既得権益を守る事以外考えていないようにしか見えない、わざわざ犯罪を作る必要があるのでしょうか。
連邦法が変われば厚労省の考え方も改まるのでは、と思っていましたが、結局何も変わりませんでした。
せめてパブコメを実施して国民の疑問に対する厚労省の考え方を示すべきでは、と思いました。